痛みで肩をおさえる高齢男性

腕を上げると、途中から急に痛みが走る
着替えるとき、腕を袖に通そうとすると痛い
背中に腕を回すのがしんどい
寝返りをうつと肩の痛みで目が覚めてしまう

上記は四十肩・五十肩の特徴的な症状です。
中高年に多く起こるため俗称でそう言われているだけで、「四十・五十」というワードを気にする必要はありません。正式には「肩関節周囲炎」という疾患群のことです。急性期には肩関節の周囲に炎症を起こしている場合もあるので気を付けましょう。

原因

肩関節周囲炎のはっきりした原因は解明されていませんが、中高年に多く起こる症状のため、加齢が関係していると考えられています。
肩関節は人間の関節の中でも広い範囲を動かせるつくりになっていて、その分構造が複雑です。肩関節には多くの骨が接続していて、周囲には筋肉や腱、滑液包などが複雑に絡み合ってできています。
大まかにいって二十歳を超えると、基本的には身体の組織は退化していきます。肩のような複雑な構造の関節は、年を重ねていったときに不具合の出やすい箇所です。
四十肩・五十肩の出やすい方の特徴に中高年というのは説明しましたが、もう一つ特徴的なことがあります。普段はとくに運動はしていないけど、週末には例えばテニスやゴルフなどをしてその時だけ猛烈に身体を動かす方です。
普段あまり肩を大きく動かすことがない生活を送っていると、肩関節の可動域は少しずつ狭まっていきます。
そのような状態で急激に肩に力を入れて普段動かしていよいようなところまで動かすと肩へ大きな負担がかかり、組織が損傷します。そうすると身体は損傷した箇所の修復作業に入るのですが、ふだんなまけていた部位が急激に過度に仕事をしたため、修復作業が過剰になり、余分に出た修復成分のカルシウムなどが肩関節にくっついて固まってしまうことがあります。
これは四十肩・五十肩の中でも「石灰化腱炎」といいます。

四十肩・五十肩の経過

急性期 → 慢性期 → 回復期 の流れをたどり、数ヶ月~1年程度で痛みが消失する場合が多いです。
・急性期 : 炎症が起きている。痛みが強く、じっとしているだけで痛むこともある。
・慢性期 : 炎症が治まり関節が固まり始める。動きの角度によって痛みがでる。
・回復期 : 痛みはほとんどなくなるが、肩関節は固まって動かしづらい。

当院の施術

急性期では、基本安静にしてもらいます。(肩への施術はしません)
炎症を起こして痛みが激しい場合は、まずは冷やして炎症を和らげることをおすすめします。慢性期~回復期から施術をいたします。
『肩を動かす → 痛い!』
と、脳に刷り込まれているため、施術の最初は無理に肩を動かしたり、押したりはしません。肩の周辺の筋肉である、肩甲骨・背中・腕・首などの緊張した筋肉からゆるめていきます。
腕を上げる(肩を回す)という動きは、それらの筋肉たちが複合的に機能してはじめてできる動きなので、肩以外の筋肉の緊張をといてあげるだけで、肩関節の可動域が広がることはよくあります。さっきまでより肩が動くようになると、痛みへの恐怖心は薄れていきます。その段階になれば、余計な力みは減ってきているので、肩の深部へアプローチしていきます。
無理のない範囲でできるストレッチや体操もお伝えするので、日常生活でもおこなってもらえればより早い回復が期待できます。

このような声をいただいています

N.Tさん 40代 主婦

「またバレーが楽しくできます」
右腕を上げると肩に痛みがはしるようになり、背中側にも回しづらくなりました。肩は慢性的にいつもこっています。ママさんバレーをやっているのですが、まともにサーブをうてなくなりました。
以前家にチラシが入っていたのを思い出し、のぼると整体院さんに来ました。肩甲骨や鎖骨あたりのこわばった筋肉を時間をかけて丁寧にほぐしてくれて、通っていくうちにだんだん腕を上げても肩が痛まないようになりました。今ではバレーもふつうにできるので、とても助かりました!肩がこってくるとメンテナンスで通っています。